社内SEを辞めたい理由は、席を移すと半分に減る
社内SEを辞めたいと感じるとき、行き詰まっていたのは技術の深さではなく、自分の席で決めきれる範囲の狭さのほうでした。決裁・立ち位置・記録・照合という四か所を、稟議書と受信箱の上で名指しし、席を移して薄まる二つと、役どころに付いてくる二つに分けます。
社内SEを辞めたいと感じるとき、行き詰まっていたのは技術の深さではなく、自分の席で決めきれる範囲の狭さのほうでした。決裁・立ち位置・記録・照合という四か所を、稟議書と受信箱の上で名指しし、席を移して薄まる二つと、役どころに付いてくる二つに分けます。
社内SEの激務は、量の多さではなく暦の位置で決まっていました。予算の申請、期末の検収、契約の満了日、監査の依頼。発注する側で見た四つの日付から繁忙がどう作られるのかを順にたどり、開発の納期前とは違う点を並べ、面談でどこを聞けば山の場所が分かるかまで書き出します。
社内SEは楽だと言われますが、発注する側で過ごすと、消えた負荷と乗ってきた負荷ははっきり分かれました。手を動かす量と締切の圧が軽くなる代わりに、説明責任と待ち時間が重くなります。公表されている労働時間の数値も並べ、どちらが自分にとって軽い側なのかを判別できる形に整理します。
社内SEの仕事内容は、企画・運用・ベンダー管理という語だけでは一日の絵になりません。発注する側で過ごした一日を朝と日中と夕方に割ってたどり、手を動かす枠が空いた場所に入ってくる決める・通す・捌くの三つを、机に残る書類の側から順に書き出していきます。
情シスの立場が弱いと言われる正体を、性格や人数ではなく原資の置き場所から説明します。常駐する側から強い決裁者に見えていた担当者が、内側では何を持っていなかったのか。稟議・再発防止・交渉・増員という四つの場面に割り、いまの席で動かせる範囲まで並べました。
社内SEの面接で出る質問は数が限られています。ただし採否を決める側が数えていたのは、答えの内容ではなく別の欄でした。受ける側で用意していた答えと、席の反対側に置かれていた紙を並べ、質問ごとに何が確かめられていたのかと、準備を答えの形から組み直す順番までを整理します。
社内SEに移ると夜に鳴る回数は減りますが、代わりに止めたままにするか動かすかを決める側の席が回ってきます。呼ばれていたころの一晩と、受ける側に回った後の一晩を並べ、何が消えて何が乗ったのかを当番表・影響範囲の一覧・翌朝の通知という手元の記録からたどります。
社内SEはプログラミングができないと務まらないのか。減るのは書く量で、増えるのは読んで決める量でした。書く側と受け取る側で中身が入れ替わる「レビュー」を起点に、見積・受け入れ・障害・引き継ぎという読む場面を分解し、現職のまま読む力を測る手順まで並べます。
SIerから社内SEへ移ると、納期という一語の中身が入れ替わります。契約で日付が先に確定する世界と、事業の都合で日付が最後まで動く世界を、見積書・変更依頼票・稼働判定の会議という書類の側から並べ、順番が逆になったときに実務のどこが変わるかを整理しました。
社内SEに向いている人を性格で語らず、一日のうち説明へ渡せる時間の量から判断します。説明に時間が溶ける場面を、要望の翻訳・事象の切り出し・稟議の言い換え・ベンダーへの前さばきという四つに割り、開発を進める側から見えていた景色と並べたうえで、現職の予定表のまま配分を数える手順まで整理しました。